頭痛の治療

・頭痛の治療

 

片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など頭痛のタイプがわかったら、それに応じた頭痛への対処法を説明し、必要があれば薬剤治療を行う。

<片頭痛>

 

普段の生活:ストレスや精神的緊張を避け規則正しい生活をこころがける。朝食はしっかりとり空腹は避ける。アルコールや片頭痛の誘因となる食品を避ける。寝不足、寝過ぎに注意する。血管を拡張させる薬剤の服用に注意する。外出・旅行やショッピングは片頭痛の誘因がたくさんあるため、ゆとりをもって! 強い日差しのある時期はサングラスの使用をこころがける。入浴で頭痛がおきる場合はシャワーですませる。

頭痛発作時:暗所で横になりゆったりとする。寝るのが無理な場合、椅子にかけて安静にするだけでも効果がある。アイスノン、ジェルシート、ヒエビタなどで痛むとことを冷やすと楽になる。アクエリアスのアイスバッグ(コンビニで売っている)をタオルで巻いて痛いところを冷やすのもよい。一眠りするとなくなっていることも多い。

発作時の薬剤治療:

軽度の頭痛:

ロキソプロフェンナトリウム水和物(ロキソニン):ロキソニン®(60)1〜2T/回  

アスピリン・ダイアルミネート配合配合錠:バファリンA330® 1〜2T/回

アセトアミノフェン:カロナール®(300)2−3T/回 

 

適応外:ナプロキセン:ナイキサン®(100)3T/回  セレコキシブ:セレコックス®(100)1T/回

中等度〜重度:トリプタン系の薬剤を使用する。効果発現まで注射 10分 点鼻 15分 内服 30分。

トリプタン系:前兆期に服用しても無効なことが多い。 頭痛期に入って服用する。

 ゾルミトリプタン:ゾーミックRM®(2.5)1T 

 エレトリプタン:レルパックス®(20)1T 脂溶性 消失も早い。

 スマトリプタン:イミグラン®(50) 1T 

 リザトリプタン:マクサルトRPD®(10)1T  思春期(海外)インデラル服用中は禁忌。

 ナラトリプタン:アマージ®(2.5)1T  月経時使用 gentle tryptaneといわれる。

発作時スマトリプタン無効 NSAIDsの座薬が効くことがある。

エルゴタミン製剤も有効 前兆時に服用しても有効。

クリアミンアA :1回1錠 1日2〜3回 1週間で10錠まで。          トリプタンとの併用は禁

悪心・嘔吐:

ドンペリドン:ナウゼリン®(5) 1T/回 

メトクロプラミド:プリンペラン®(5) 1〜2T/回

片頭痛の予防治療:月に10回以上の発作、頭痛や腹部症状のため幼稚園や学校を休みがち、頭痛に対する不安が強い などの場合は予防薬の服用を考慮する予防薬:

ロメリジン塩酸塩:テラナス®、ミグシス®(5) 2T−4T 2x

バルプロ酸ナトリウム:デパケンR®(200)、セレニカR®(200) 2T 2x

アミトリプチリン塩酸塩:トリプタノール®(10) 1T 1x  就寝前

プロプラノロール塩酸塩:インデラル®(10)2〜3T 2〜3x

小児の片頭痛 

発作時 イブプロフェン 5mg/kg

    アセトアミノフェン 10mg/kg 

    嘔気 プリンペラン ナウゼリン     座薬も可

適応外  ジヒデルゴット 7.5歳 1.5mg  3x  12歳 2mg  3x

<予防>

ロメリジン塩酸塩:テラナス®、ミグシス®(5) 2T−4T 2x

バルプロ酸ナトリウム:デパケンR®(200)、セレニカR®(200)2T 2x

クロナゼパム:リボトリール

アミトリプチリン塩酸塩:トリプタノール®(10) 1T 1x  就寝前

塩酸シプロヘプタジン:ペリアクチン

モンテルカストナトリウム:シングレア、キプレス

プランルカスト水和物:オノン

年長児には、アミトリプチリン、年少児にはシプロヘプタジン(ペリアクチン)やフラビタン®(5)が有効である。バルプロ酸? プロプラノロール? の効果は未定。

<各トリプタンの特徴>

スマトリプタン(イミグラン®):半減期が約二時間と短いため、服薬後2時間で効果が不十分な場合はさらにもう50mgの追加が可能である。皮下注射薬、点鼻薬もある。皮下注射薬は群発頭痛に即効性がある。

ゾルミトリプタン(ゾーミッグ®):効果出現時間はスマトリプタンよりやや遅いものの代謝産物も片頭痛改善作用を有するため効果の持続時間は長い。

エレトリプタン(レルパックス®):最高血中濃度到達時間が1時間程度と短く半減期も3時間と長めである。即効性と持続性ともにトリプタンの中では良好である。

リザトリプタン(マクサルト®):最高血中濃度到達時間が1時間程度と短い。

ナラトリプタン(アマージ®):最高血中濃度到達時間が2.5時間と長く即効性は期待できないが、半減期が5.5時間と長いため再発例に有効と考えられている。生理に伴う片頭痛によく用いられている。

<緊張型頭痛>

 

薬剤によらない治療:まずこれを優先する。

心理学的治療:不安・ストレスがあればそれらの除去を行う。

日常生活上の注意点:食事はバランスよくとり、日常的に運動をする癖をつける。仕事中には定期的な休憩をとる。高い枕やかたい枕は頭痛や肩こりの原因となるので注意する。

生理学的治療:うつ向き姿勢であればこれを改善する。軽めの運動(体操、水泳)、マッサージ、ストレッチ、入浴・温シャワーなど。

その他貧血や低血圧があれば改善をはかる。

薬剤治療:筋弛緩薬、抗不安薬、鎮痛剤、抗うつ薬などが用いられる。

 

筋弛緩薬:バクロフェン、チザニジン塩酸塩、エペリゾン、クロルフェネシンカルバミン酸エステルなど         

①バクロフェン:リオレサール®、ギャバロン®

初回1日5〜15mg、1〜3回分服、2〜3日毎に1日5から10mgずつ増量 標準用量1日30mg

②チザニジン塩酸塩:テルネリン®

1回1mg、1日3回  デプロメールとの併用禁

③エペリゾン:ミオナール®

1回50mg、1日3回

④クロルフェネシンカルバミン酸エステル:リンラキサー®

1回250mg、1日3回

抗不安薬:エチゾラム、ジアゼパムなど

①エチゾラム:デパス®

1日1.5mg、3回分服 眠気あるときは半減

②ジアゼパム:セルシン®、ホリゾン®

1回2〜5mg、1日2〜4回

鎮痛剤:ズキズキしたりガンガンすることもある。アスピリン、ロキソプロフェン、イブプロフェンなど        

①アスピリン・ダイアルミネート配合:バファリン配合錠A330®

1回2錠、1日2回

②ロキソプロフェンナトリウム水和物:ロキソニン®

1回60mg、1日3回  頓用1回60から20mg

③イブプロフェン:ブルフェン®

1回200mg、1日3回

抗うつ薬:頭重感が強い場合は良い適応である。

①アミトリプチリン塩酸塩:トリプタノール®

1日10〜30mg、就寝前

<群発頭痛>

 

日常生活上の注意点:飲酒は禁。

発作時:頭痛発作がおきそうになったら、窓を開け、深呼吸を繰り返す。痛むところを冷やしてみる。手元の鎮痛薬をのんでみる。これらで対処できなければ病院を受診する。

頭痛発作時の薬物療法:

スマトリプタン:イミグラン® (3mg) の皮下注(5−10分で効果がでる)1日2回(6mg)まで。

イミグラン®点鼻(20mg)

酸素吸入:純酸素 7L/分 15分吸入で効果あり。

予防的な内服薬:

ベラパミル塩酸塩:ワソラン®(40)6T 3x

プレゾにゾロン:

プレドニン®(5)8T 2x 10T、6T 2x 10T、4T 2x 10T  と漸減  

         再発時 6T 2x 

夜間に発作がある場合:クリアミンA® 1T 就寝前服用も効果的。

予防薬としてのデパケンR®(200) 2T 2x はあまり効かない。

<薬剤乱用性頭痛>

 

治療

即時中止が漸減中止よりよい。

レスキュー薬:

NSAIDsによるMOH  ⇒他の系統   例)ナプロキセン:ナイキサン®(100)3−6T 3x

トリプタン ⇒他のトリプタン

 long actingを投与 頓服でshort acting

入院と異なって、外来ではステロイド使用しにくい  

ドンペリドン:ナウゼリン®(10)3−6T 3x 14日続ける

離脱症状は薬物中止後4−7日続く。

予防

基本は頭痛薬を飲みすぎないことである。

first lineはロメリジン塩酸塩(テラナス®、ミグシス®)、あるいは以下のカクテル療法

テラナス®、ミグシス®(5mg) 2T 2x

デパケンR®(200) 2T 2x あるいはセレニカR®(200) 2T 2x

トリプタノール®(10) 1T 1x 就寝前  他に抗うつ薬(SSRI)

 

トリプタン 月10回以内の使用に留める。

MOAの再発率:6ヶ月以内 31%、1年以内 41%、4年後 45%

<後頭神経痛 (occipital neuralgia) >

大後頭神経などにそってピリッとした痛みがでる。外傷や圧迫、筋肉の緊張等で神経が障害されおきる。キリキリとした痛みが断続的におきる。髪の毛を触ってもピリピリと痛むこともある。

薬剤:

テグレトール

プレガバリン:リリカ®(75)2C 2x

ビタミンB12:メチコバール®(500)2T 2x 

ロキソプロフェンナトリウム:ロキソニン®(60)1T 頓服

<顔面の痛み  (facial pain) >

顔面の痛みも頭痛ということで、外来を受診する患者さんの多い。以下に代表的な顔面痛について説明します。 

<三叉神経痛>

顔面の「キリッキリッ」という数秒間隔で反復する電撃痛。痛みが誘発される「トリガーゾーン」がある。

診断:MRIのCISS画像で、三叉神経に血管あるいは腫瘍が触れていることを確認する。約5%の頻度で三叉神経を脳腫瘍が圧迫している。

治療:

内服薬:カルバマゼピン:テグレトール® 1日200〜400mgから開始、1日600mgを分服 1日800mgまで  

プレガバリン:リリカ®(75)  2C 2x

開頭微小血管減圧術

<副鼻腔炎>

前頭部や顔面の痛みが多いが時には後頭部まで痛む。鈍痛が多いが時に激しい痛みが生じる。目が覚めた時に頭痛がすることが多い。また、体を前に傾けた時、ズキン ズキンと激しく痛む。鼻の症状がないこともあるので注意が必要である。

 

診断:頭部CT(bone window)あるいは頭部MRI

治療:

抗菌薬:クラリスロマイシン:クラリス®(200) 2T 2x

蛋白分解酵素:プロナーゼ:エンピナース・P® 3C(9000) あるいは3T(18000) 3x

1回9000〜18000単位、1日3回

排膿うながす:カルボシステイン:ムコダイン® 1500mg  3x   あるいは、

       アンブロキソール塩酸塩 ムコソルバン®(15) 3T   3x  

鎮痛薬:ロキソプロフェンナトリウム水和物:ロキソニン®1回60mg、1日3回  頓用1回60から20mg

<顎関節症>

若い女性に多い。ストレスによる食いしばりや歯ぎしりが原因と考えられている。あごを動かすと痛い、口が開けずらい、口を開け閉めすると音がする、食事の後や会話をするとあごがだるい、疲れるなどの症状がある。緊張型頭痛と同様の症状が出現する。治療:

患部の安静、薬剤療法、スプリント(バイトブロック)の作成など

<その他>

歯痛

鼻炎、中耳炎

<特殊な痛み>

<帯状疱疹後神経痛>

リリカカプセル(75 mg)2- 4 C   2x 投与初日は夕食後あるいは就寝前1C 翌日より2C

トリプタノール(10 mg)1−3T 1x 夕食後あるいは就寝前 1Tから漸増

ノイロトロピン(4単位) 4T 2x 4週で無効の場合は中止

<視床痛>

視床後腹側核群の傷害に起因する。持続性で、耐え難い、焼けるような、ひりひりする自発痛である。

トリプタノール(10 mg ) 2−3T 2x or 3x

ルボックス(25mg)1−2T 1x or 2x

テグレトール(100 or 200 mg)200 - 600 mg 2x or 3x

ガバペン(200 - 400 mg) 600 - 2400 mg   3x

リリカカプセル(75mg)2 - 4 C   2x

<こむら返り>

ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒 2.5 g   就寝前あるいは頓用

ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒 7.5 g   3x 食前あるいは食間 2週間程度

 長期処方は避け、血液検査をする

エリスパン(0.25mg)3T 3x

ボルタレンゲル 1% 1日数回 塗布

ロキソニンパップ 1日1回 貼付